FEATURE

2021.11.22

子どもたちに伝えたいこと、
残したい未来、すべては
なにげない毎日から始まっている

地球に、人に、動物に優しいことを、と言われるとなんだか壮大で難しそうだし、建前だけじゃ続かない。
でも、ワクワクを諦めたくない私たちにだってほんの少し視点の切り替えをするだけでできる何かはきっとあるはず。
そんな“つづく”のリアルなヒントをBEAMSスタッフの日常から切り取る連載企画。
今回登場するのは5歳の男の子と3歳の女の子を育てながら共に働く金子夫妻。都心暮らしから少しだけ離れてログハウスを建てたきっかけとその日常をご紹介します。

 

「このログハウスに引っ越してきたのは上の子が生まれて8ヶ月の時。それまでは中目黒のマンションに住んでいました。利便性が良くて夫婦だけであれば住み心地も悪くなかったのですが、子どもが生まれたら、もっと走り回れるようなところで育てたいと思い始めたんですよね。都心まで1時間以内でアクセスできてのびのびと過ごせる場所を探してここに辿りつきました。(茂)」「このログハウスに住むようになって、かくれんぼをしたり、基地を作ったりと外だけでなく家の中でも家族みんなの楽しみが増えたら毎日に心の余裕が生まれました。木の特性上、夏は暑さの侵入を防ぎ、冬は日差しで暖まった部屋の熱を逃しにくいので、エアコンの使用頻度がグッと減って環境だけでなくお財布にも優しい毎日です。(葵)」

金子茂
トップス/LOOPWHEELER × BEAMS PLUS
パンツ/KENNETH FIELD × BEAMS PLUS

金子葵
トップス/Champion × Ray BEAMS
パンツ/A.P.C.

 

 

「都内とはいえ自然に恵まれている場所なので、木々の変化や虫の声、気温など季節の巡りを日常でダイレクトに感じられるようになりました。歩いているだけで気持ちがいいので休日には近所を散歩することも多いのですが、ある日家のすぐそばの小さな川から洗剤の匂いを感じたことがあったんです。気になって少し調べてみたら私たちの身近な生活排水が水質汚染の大きな原因のひとつとなっていることを知り、ショックを受けました。それからは日々のちょっとした行動や意識が大切な子どもや家族のためになる、と日常の排水についてなるべく気をつけるようにしています。最近はさっとどこでも簡単に買える便利なものを手に取るのはやめて、合成界面活性剤を使用していない植物性の製品を選ぶことを意識し始めました。また、毎日食べるお味噌汁は流しに捨ててしまうことのないように多く作りすぎずなるべく食べ残さない、シャンプーやリンスを使いすぎない、といったことは子どもたちが大人になるまでに習慣付けてほしいことでもあります。環境のためにも子どもの成長のためにもいいって素敵なことですよね。(葵)」

 

 

「顔や身体はコットンや竹からできた布を使って洗っていて、我が家ではクレンジングや石鹸などを一切使っていません。特に、完全無農薬のコットンから作られている布良(ふら)という布は、手紡ぎ糸特有のデコボコと粗く織り上げた布地の摩擦が相乗して、汚れをきれいに落としてくれるのでとても重宝しています。 シンク周りやお風呂掃除、食器洗いなど、ほとんどの家事においては重曹とクエン酸があれば洗剤いらずだということが分かってから、この2つが我が家の味方。粉末を購入してそのまま使ったり、水に溶かしスプレーにしたりして活用しています。」

トップス/AUBERGE
パンツ/Pilgrim Surf+Supply

 

 

「子育てを始めて生活も考え方も180度変わったような気がします。特に口に入れるもの、肌につけるものに関して注意を払うようになりました。私はアトピー持ちなのですが、長男が同じ肌質で生まれてきたときにハッとしたんです。愛する我が子たちのために、そしてこの子たちが住む未来の地球のために、これから些細なことでも、自分にできることを少しずつ増やしていきたいと思います。(葵)」「休みの日にこうして家族と過ごす時間をとても有意義に感じています。週末は近くの大きな公園で一日中遊び倒していましたが、こうして走り回ったりプールを出して遊んだりBBQをしたりできる庭があることで、家から出にくかったコロナ禍でもストレスになりすぎずに過ごせました。BBQの焼き係は僕なので、いつもの食事と違い、ちょっとした気分転換にもなります。(茂)」

金子葵
トップス/LOS ANGELES APPAREL
ワンピース/BEAMS BOY
シューズ/BIRKENSTOCK


金子茂
トップス/BEAMS PLUS
インナー/WAREHOUSE × BEAMS PLUS
パンツ/ LOOPWHEELER × BEAMS PLUS

 

 

「この場所に引っ越してきて、休日や時間があるときの過ごし方は大きく変わりしました。冬に使う薪ストーブは電気削減にもなり、廃材を薪にしているので環境配慮にも繋がるんじゃないかなと思っています。薪割りをしていると、子どもたちが”大きくなったらやりたい!“と目を輝かせながら言ってくれるのも父親としてなんだか嬉しいです。玄関にある大きなシューズラックは僕のDIY。次は2階に本棚を作りたいなぁ、なんて考えています。(茂)」

トップス/BEAMS PLUS
パンツ/POST O’ALLS
シューズ/RUSSELL MOCCASIN
キャップ/FILSON

 

 

「子どもの服は家族や友人のおさがりをいただくことも多いです。また、私が愛用していた洋服を時間のある時に簡単にお直しして娘に着てもらうこともあります。どんどんサイズアウトしてしまうのですが、どれもひとつひとつ愛着があるので親しい人に差し上げていて、服を通じて繋がっていっています。(葵)」

トップス/BEAMS PLUS

 

これからの私の”つづく”

例えば今は「柔軟剤代わりにもなる洗濯ボールはどれが最もいいのか」というのを調べているのですが、こうして環境により良い日用品を一つひとつ丁寧に選択していきたいなと思います。ゆくゆくは薬草を摘んで化粧水を作る、なんていうこともしたいです。

 

 

Shigeru & Aoi’s recommendation list

パタゴニア

国連で最高の環境賞「地球大賞」を受賞し、一目置かれているサステナブルブランドのパタゴニアは長男用によく購入しています。暴れ盛りの5歳児は特にボトムの膝部分にすぐに穴が開いてしまうのですが、パタゴニア製品は丈夫で穴が開いたことがなく長年使えるので助かっています。

Biople by Cosme Kitchen

洗濯洗剤はこちらで調達。高品質な上にプラスチックごみの削減を目的としたリフィルステーションに賛同し、eco storeのものを購入しています。https://ecostore.jp/Page/contents/2017/refillstation.aspx

自然食品店あしたば

日用品は家から近いお店で。ご紹介した掃除用品やタオル、オーガニックのお菓子など国産の日用品をこちらで購入しています。http://www.ashitaba.ne.jp

 

PROFILE

  • 金子茂/Shigeru Kanekoビームス プラス バイヤー

    東京都出身。アルバイトを経て2011年にBEAMSへ入社。2015年からバイヤーとなり現在はビームス プラスを担当。ログハウスを購入してから趣味は自宅でのバーべキュー、D.I.Y。子どもが大きくなってきたので、20代の時に行っていたキャンプも再開予定。

  • 金子葵/Aoi Kanekoビームス 町田 スタッフ

    埼玉県出身。アルバイトを経て2007年にBEAMSへ入社。池袋、渋谷のフラッグシップショップを経て、2019年からは子育てをしながら、町田のスタッフとして働いている。出産前は海外旅行が好きで半年ごとに様々な国へ旅行していたが、子育てが始まってからはもっぱら公園遊び派に。かくれんぼや鬼ごっこ、面白い形の石を見つけたり、多種多様な遊びの中でも特に虫探しは子供以上に夢中になってしまう事も。持ち帰って図解で調べるのもまた楽しみの一つ。

Photo:Kazuhiro Fukumoto〈TAKMI〉 Direction:Takako Shirasawa