「ほんとうのランニング」
と言われてランナーなら何を考えるでしょう。
正しいフォームで効率良く走ること、いわゆるテクニック的なこともそうですし、正しいトレーニング方法もそうでしょう。
この本の最初のパートではそのようなことについてしっかり触れているのですが、ふと驚くのが、そのトレーニング理論が46年前に書かれた内容であること。今では当然のように知られており広く取り組まれている、いわゆる科学的に証明されたトレーニングメニューが載っている。
そしてこの本の一番の醍醐味は、競技としてのランニング ”ではない” 部分について多く触れられていること。
つらい、苦しい、めんどくさい、というネガティブなイメージをランニングに持っている方はぜひ一度読んでほしいです。
最初のテクニカルな部分は内容的にちょっとツラいかもですが、後半に進むにつれて共感できることや発見がきっとある、はず。
1976年著ということは、ちょうどビームスと同い歳。
アメリカ文化を日本に持ってきたビームスに思いを馳せ、ファッションの歴史を横目で見つつ、当時のランニングカルチャーについて触れてほしいです。
本書の版元である木星社の藤代きよさんもランナー。しかも100マイラー。まさに走っていたからこそ知り合えた方であり、この度の取り扱いにもつながったご縁。
地球に生まれて、走っててよかった〜。