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  • #01 Tomonori Shibasaki (BEAMS Men's Casual Chief Buyer)
  • #02 Fuko Asayama (BEAMS BOY Buyer)
  • #03 Takayuki Ohashi (the Apartment Owner)

“ゴアテックス”に魅せられた3人の証言。

ショップのコーナーに足を運ぶと、よく目にする“GORE-TEX”と書かれた四角形の黒いタグ。
「このタグが付いているウェアは高い」というイメージを持っている人は多いのではないだろうか。
それに「“ゴアテックス”のウェアは温かい」と思っている人も少なくないはず。
今まで何となくは知っていた“ゴアテックス”だけど、じゃあ実際何がすごいのか、どんなメリットがあるのか。
デザイン、機能、そこにまつわるカルチャーの側面から、その答えを探っていく。

GORE-TEX LOVERS #01
  • FOOT GEAR
  • OUTDOOR
  • CULTURE
#01

TomonorShibasaki

(BEAMS Men's Casual Chief Buyer)
柴崎智典(BEAMS Men's Casual Chief Buyer)

他にはない絶対的な安心感と信頼感。

メンズカジュアルのチーフバイヤーとして、数々の名作を世に送り出してきた柴崎さん。
企画を考え、素材を選び、物を作る、
文字通りプロダクトの生みの親として、数々の名作を世に送り出してきた。
そんな柴崎さんが“ゴアテックス”を選ぶ理由。
その答えは、若かりし頃に体験した旅がはじまりだった。

最初に“ゴアテックス”のアイテムに触れたのはいつですか?

「22歳のときに買った〈Danner〉のブーツです。当時、友人と屋久島へ旅行することになって、いろいろ調べていたら、とにかく雨がたくさん降るって聞いて。それに屋久杉を見に行くとなると、山も登らないといけないので、雨にも路面にも強い靴が必要だと。だからずっと好きだった『DANNER LIGHT』を選びました。〈Danner〉って、一足は必ず持っておきたいブーツだし、靴として美しいのと、デザインが完成されているので今でも手放さず持っています」

ウェアではなくシューズというのが面白いですね。

「これは後から知ったことなのですが、世界で初めて靴としてゴアテックス ファブリクスを採用したのが〈Danner〉で、そう言う意味でも選んで間違いなかったなと(笑)。なので、僕が“ゴアテックス”に魅力を感じている原点はまさにこのブーツです。プロダクトのすごさというか、防水透湿性の機能が嘘じゃないことを身を持って体験したので。どれだけ雨にさらされても、ぬかるみを歩いても、濡れた感じが一切ない。昔から靴が濡れて靴下がびしょびしょになるのが大嫌いだった自分にとっては、もう感動でした。そしてその時に思ったんです、全部の靴に“ゴアテックス”が付いてていいじゃん!って。誰も嫌な気持ちにならないし、付いているに越したことはない。世の中のマスターピースと言われている靴に全部“ゴアテックス”が付いてたらみんなハッピーだと思いませんか?」

こうして歴代のゴアテックス ファブリクスを採用した別注モデルを見ると圧巻ですね。

「唯一スニーカーなのが〈Salomon〉というのも面白いですよね。別注する以前に4年前くらいから〈International Gallery BEAMS〉で取り扱っていて、いわゆるハイブランドの洋服と合わせるようなスタイルの提案をしていました。それからほどなくして〈SALOMON ADVANCED〉ができて、カジュアルシーンでの盛り上がりが一気に高まりました。で、ちょうどそのタイミングで、先方から何かできませんかってお話をいただいて。2019年のFWに仕上がるように、2018年くらいから話を進めていました。『XA PRO 3D』をベースモデルに選んだのは、〈Salomon〉の中でもスニーカー然としてて、アウトドア色もそこまで強くないモデルだったから。あとは、ちょっと分かりづらいかもしれないんですけど、BEAMSがよくやるネガティブ仕様にしています。もはや懐かしい思い出ですね」

ちなみにウェアに関してはどうでしょう?

「もちろん着ますよ、雨の日に着るんですけど、“ゴアテックス”に期待することで挙げるなら、いわゆるシャカシャカしたシェルではなく、例えばフランネルのシャツみたいに、柔らかいんだけど実は!みたいなアイテムがあったらいいなと。それこそみんなが普段から普通に着ているものが“ゴアテックス”だったら最強だと思いませんか?もしそうなったら、洋服の幅はもちろん、日常生活における快適性や豊かさ、仕事の生産性だってさらに高まると思います。勝手なことばかり言ってますが、今後が楽しみですね」

BEAMSとして初めて作ったゴアテックス ファブリクス採用の別注シューズが〈Timberland〉でした。きっかけは何だったのでしょうか?

「〈Timberland〉のイエローヌバックは、メンズカジュアルウェアにおけるワードローブの中の一足として絶対に外せないものです。そして、今なおリアルワーカーが履くブーツとしても存在していること。別注したのは、そういった背景を持つ靴に対して、雨が降ったときや悪天候でも快適に履ける機能を付けられたらというシンプルな思いからです。“ゴアテックス”仕様になることで、もっと気分良く履いてもらえるだろうなって。単純に僕自身が履きたかったからでもあるんですけどね(笑)。なので、正直言ってわがままな企画だったかもしれません。他のシューズの製作秘話ですか? ここで全部お話するとなると、あと5時間くらいかかるのでやめておきます(笑)」

他にも同じ機能を持つ素材がある中で、柴崎さんがあえて“ゴアテックス”を選ぶ理由は?

「原点である〈Danner〉のブーツもそうですが、これまで自ら履いて、着て、その機能を体感したことで絶対的な信頼を置いているからでしょうか。あとは、単純にロゴも黒に金というプロダクト感を最高に際立たせてくれる配色だったり、ロゴのデザインも年代によって違うんですけど、かっこいいし覚えやすい。だから、防水のアイテムを何か作る場合、まず“ゴアテックス”ってなるんです。もうひとつは、製品作りに関わる中でお取引先様と話していたときに、一番基準が厳しくて、ハードルが高いのが“ゴアテックス”だと言われて。であれば、BEAMSとしても、しっかり基準をクリアしたものを自信を持ってお客様にお届けしたい。そんな背筋がピンと伸びるような相手だからこそ選ぶ価値があると思っています」

左:2020年春夏シーズンで大好評だった〈Clarks Originals〉別注モデル「Wallabee GORE-TEX」の新色。2021春夏はブラックに近いネイビースエードで展開。¥33,000(BEAMS Online Shop)、右:ラフアウトというスエードのアッパーが特徴的な〈RED WING〉別注によるゴアテックス ファブリクス仕様のポストマンシューズ。5年前からオファーをかけ続けてようやく実現した一足。¥48,400(BEAMS Online Shop/4月発売予定)

GORE-TEX LOVERS #02
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#02

FukAsayama

(BEAMS BOY Buyer)
浅山 風子(BEAMS BOY Buyer)

大前提として街で着れること。

ここ数年、山登りにハマっているというBEAMS BOYのバイヤー浅山さん。
原体験は子供の頃のスノーボード、キャンプ、サーフィンと多岐に渡る。
そんな生粋のアウトドア好きである彼女が考える“ゴアテックス”魅力とは。
そこには女性ならではの強い想いがあった。

一番最初に“ゴアテックス”のアイテムに触れたのはいつですか?

「元々アウトドア一家で、夏はキャンプにサーフィン、冬はスノーボードという感じで、生まれた頃から身近にアウトドアがありました。なので、子供の頃、父からスノーボードを教わるときに買ってもらったウエアが最初ですね。ただ、その時は訳も分からず着るだけで。自分でちゃんと意識して買ったのは、2017年にサンフランシスコへ旅行することが決まったとき。とりあえず全部の天候に対応できる、軽くて丈夫なジャケットを買おうと思って選んだ〈THE NORTH FACE〉のゴアテックス ジャケットです。幸いサンフランシスコ滞在中、雨は降らなかったんですが、その分風が強くて。日中ずっと着ていたこともあり、それまで“ゴアテックス”って防水だけだと思っていたのが、蒸れないし、保温性もあって、“ああ、こういうシーンでも使えるんだ!”って実感しましたね」

アウトドアにハマったのもその旅がきっかけとか?

「サンフランシスコ旅行の一年後くらいだと思います。当時、『ビームス ボーイ 原宿』で店舗スタッフとして勤務していたんですが、近くのビームスの店舗に、山登りが趣味のスタッフが異動してきて、たまたま仲良くなって当然のごとく誘われて。山登りは挑戦したことがなかったので“やります!”と二つ返事。そこから一緒にギアを集めて、低山から登り始めて今に至ります。ただ、初めての登山がいきなり冬山で。アイゼンつけて登ったり、初心者にしてはちょっとハードルが高かったかもしれませんね(笑)」

浅山さんなりのギア選びの基準というのは?

「まだまだ初心者ということもあり、こだわって選ぶところまでいけてないのが正直なところで、一緒に山登りする仲間や、実際にギアを使っている友人とか、信頼できる人の言葉を大切にしながら日々勉強中です。それで言うと“ゴアテックス”は、持っていて間違いないアイテムだと皆口を揃えて言いますね。初心者は特に体を冷やすのが一番良くないって言われるんですけど、“ゴアテックス”なら雨に濡れないし、湿気も逃してくれる。勝手に体温調節してくれるから必ず一枚は持っておいた方がいいと。結局、今でも山で着るジャケットはサンフランシスコ旅行のときに買った〈THE NORTH FACE〉のジャケット。まさかその時は山で使うとは思わず、ただ街でも着れるデザインだからと思って買ったのが、今は山でも街でも着てるっていう。実はそこが自分が思う“ゴアテックス”の一番魅力的な部分なのかもしれないですね」

ズバリ、女性に対して“ゴアテックス”の魅力をどう伝えますか?

「実際接客を通して感じたのは、やっぱり男性は機能性を重視するというか、“ゴアテックス”であることに魅力を感じる方が多いと思うんですけど、女性の場合、まずそこ(機能性)から入っちゃうと、求められていないコトが多くて、せっかく買おうと思ってたのにやっぱりやめておこうってなったりするケースが結構あるんです。なので、最初はデザイン面をお伝えしつつ、実はこれ“ゴアテックス”という機能素材で防水なんですって補足するくらいがちょうどいいのかもしれません。試着して、『かわいい! あれっ、袖に何かついてる!?」って、そこで初めて“ゴアテックス”のタグに気付いたり、機能は後付けになっているのが現状ですね。ただ、BEAMS BOYだと、〈Clarks Originals〉に前シーズン別注した“ゴアテックス”のシューズは別でした。雨の日にオシャレを楽しめるシューズは男女ともに共通なのか、探している方がすごく多いので、シューズに関しては“ゴアテックス”の機能性をしっかりお伝えするようにしています」

女性にフィットする“ゴアテックス”のアイテムって何でしょう?

「アウトドア感が全面に出過ぎてないことでしょうか。大前提として街で着れること。加えて、言われてみないとゴアテックス 素材でできてるというのが分からないというのがポイントですね。もちろん、これまでもBEAMSとして別注アイテムに限らずお取り扱いはありましたが、先ほどお話した〈Clarks Originals〉のシューズのように、もう少し手に取りやすいというか、感覚的な部分で、“ゴアテックス”とのライトなタッチポイントを増やす必要があるのかなと思っています。まだまだ“ゴアテックス”のことを知らない方が多いので逆にチャンスというか、知ってもらってないだけで、知ってもらえさえすれば、説明しなくても、それがアイテムを選ぶ基準になる。いつも着ている服やシューズが、実は“ゴアテックス”だったっていうのが理想ですね」

ご自身の“ゴアテックス”のアイテム、メンテナンスはどうしていますか?

「これまでは、いろんな洋服の間にバッとかけるだけでそこまで意識はしていなかったのですが、今回あらためてGORE-TEX BRANDのホームページを見ると、丁寧にメンテナンス方法が載っていて。ちゃんとお手入れさえすれば、ずっと着られるんだなと。思い入れのあるアイテムこそ、しっかりメンテナンスしないとですね(笑)」
※Wash&Care(お手入れ方法)

現在、BEAMS BOYでも取扱いのある〈HOKA ONE ONE〉の「KAHA LOW GTX」。
独自のフォーム、特許を取得した形状、Vibram®Megagripトラクションにより、
抜群のクッション性とサポート力を兼ね備る他、ゴアテックス ファブリクス仕様でどんな天候でも足を快適にドライに保ってくれる。
¥31,900(BEAMS Online Shop

GORE-TEX LOVERS #03
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#03

TakayukOhashi

(the Apartment Owner)
大橋 高歩(the Apartment Owner)

“ゴアテックス”とNYグラフィティカルチャーの深い繋がり。

国内はもとより世界中から足を運ぶ目利きが絶えない名店「the Apartment」のオーナー大橋さん。
ヒップホップをはじめとしたアメリカ東海岸のカルチャーに造詣の深い彼が語るのは、
“ゴアテックス”とストリートカルチャーの関係性について。
僕らの知らない“ゴアテックス”がそこにあった。

初めて“ゴアテックス”に触れたのはいつですか?

「たしか高校1年か2年生のときに買った、〈THE NORTH FACE〉のマウンテンジャケットが最初だったと思います。当時からウータン・クランが大好きで、色もイエロー×ブラックを選んでましたね。なので、素材が“ゴアテックス”だからというよりは、好きなアーティストが着てたからっていう部分が大きいかもしれません。ただ、機能的には知らなかったですが、漠然とこの素材はイケてるんだろうなっていうイメージだけはありました。なにしろ高校生にしては高かったので(笑)。あとは、やっぱりニューヨークのグラフィティライターたちが、こぞって“ゴアテックス”を着てたのもあります。そもそも彼らが着ていた理由は、“ゴアテックス”の機能性に惹かれていた訳じゃなくて、生活環境の問題から、盗んだものを売って生活していた背景によって、“ゴアテックス”のアイテムはリセールバリューが高く、そこに価値があったわけです。そう意味では、素材ではあるんですけど、ひとつの高級ブランドみたいな位置付けでしたね」

グラフィティライターっていうと、FUTURAやTaki183とかですか?

「それよりもうちょっと後の時代ですね。2000年代からなので、今ちょうど40歳くらいの人たち。自分がニューヨークで交流のあるグラフィティライターで、IRAK(NY最強のグラフィティ集団“アイラック”)のメンバーなんかはほぼ同世代なんですけど、彼らがいわゆる“ゴアテックス”世代というか、“ゴアテックス”をストリートカルチャーに押し上げたクルーですね」

一番影響を受けた“ゴアテックス”を着ている人物は誰でしょうか。

「世代的にはIRAKと同じなんですが、ポスターっていうニューヨークのグラフィティライターがいて、彼にはかなり影響を受けました。個人的にも連絡を取り合う仲なんですけど、“ゴアテックス”にまつわるストリートカルチャーを語る上で外せない人物だと思います。そう考えると、ヒップホップアーティスト=“ゴアテックス”というよりは、その根底にあるのはグラフィティカルチャーなのかもしれません。あと、“ゴアテックス”を神格化して見ているVINTAGE GEAR ADDICTS(VGA)だったり、ブロンクスを拠点に〈THE NORTH FACE〉だけを集めているGORE-TEX HOARDERSっていうコレクター集団がいて、よく情報交換しています。〈THE NORTH FACE〉しか集めてないのに名前はGORE-TEX HOARDERSっていう(笑)。彼らもVGAと同じくもはや信者ですね」

ヴィンテージを含めここまで“ゴアテックス”が注目を集める理由というのは?

「最大の理由は劣化しにくいことでしょうか。ゴアテックス メンブレン(ファブリクスに内蔵される防水透湿膜)自体は適正に保存すれば大丈夫なので、古い物でも全然着れるっていうのがあります。自分が集めているアイテムもそうですが、VGAやGORE-TEX HOARDERSも含めて、ジャンク品ではなくちゃんと着れるもの、服として成立していることが大前提にあるので。“ゴアテックス”の機能性の高さを物語っている証拠にもなっていると思います。また、年代によって異なるデザインの“ロゴ”にも、それぞれ価値があるので、“ゴアテックス”自体がブランド化しているというか、あのロゴが入ることで価値が高まったり、それが一種のステータスになっている。あと、単純に“ゴアテックス”の語感がめちゃくちゃ好きみたいです(笑)」

“ゴアテックス”に期待することはありますか?

「自分の場合、カルチャーを背景に持つファッションというチャンネルでしか見ていないこともあり、アイテム自体は特にありません。強いて挙げるなら、自分が今まで集めてきたヴィンテージのアイテムに限っては、古いスニーカーが加水分解するのと同じように、大体シームテープ(注1)の部分が剥がれて壊れることが多いです。難しいとは思いますが、何十年経っても剥がれない接着剤が開発されたら嬉しいですね」
注1:GORE-TEX プロダクトには、GORE Seam® テープという専用のシームテープが使用されており、すべてゴア社の認可を受けた工場の熟練の職人が加工している。正しくメンテナンスすることで、シームテープの劣化防止、さらには機能をより長持ちさせることに繋がる。
※Wash&Care(お手入れ方法)

90年代後半に作られた〈THE NORTH FACE〉のスキージャケット。
2010年代前半に存在した『GORE-TEX XCR®』のハングタグを採用している。
現在も続く品質保証の証である黒いハングタグ、旧ロゴデザインが時代を感じさせる。参考商品

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