20年目の莫大小

UPDATE : 2019.07.29

ヤミツキアイテム

SWEAT T-SHIRT

BEAMS PLUS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

20年ともに歩んできたクリエーションの“汗”

“莫大小”と書いてメリヤスと読みます。メリヤスとは靴下を表すスペイン語“メディアス”が訛って定着した編み物の総称です。伸縮し「大小がない」ってことから、大小莫かれ→莫大小という漢字になったとか。ちなみにスウェットの産地である和歌山では、莫大小は伸縮する不均一な生地であることから「お前は莫大小みたいなヤツやなー!」という具合に、“いい加減なヤツ”という意味でも使われるんだとか。そんな“中途半端”な生地に対し、テッテー的に向き合ってきたループウィラー。そしてオープン間もない頃から別注し続けるビームス プラス。今週は20周年を迎えた同士が汗をかきながら生み出した、言わば“スウェッT”とも言える、中途半端?!なヤミツキからBeginしたいと思いま〜す♪

こんなの欲しかった“スウェットとTシャツの間”

というわけで、20周年を迎えた両者が出してくれたモノ。超しつこいですが(笑)、さんざんヤミツキで書いてきた「テレコの法則」。二品目のヤミツキスラックスをご覧いただければわかりますが、スウェットにスラックスという、カジュアルトップス&ドレス寄りのパンツの合わせでお洒落上級者に♪ なーんてスタイルがこの夏できちゃうんです。というのも、先述したように、生地感がスウェットとTシャツの間。まさに、愛すべき中途半端(笑)というべき、“スウェッT”な肉厚感なんですね。その名も「エクストラ ライト プラス」と名付けられたスペシャルな素材は、ビームス プラスのために考案されたレシピで、程よい肉厚感がある。BUT‼︎ 軽くて薄い、という相反する利点を見事に表現した風合い。Tシャツ一枚は味気ない、だけど半袖スウェットだと暑い〜っ‼︎ な今、単調になる着こなしに立体感をくれるこの一枚。そんなヤミツキスウェッTのポイントを語っていきましょう♪

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 1ふっくらループを寝かす⁈
  • 2長く着られるラグランスリーブ♡

  • 3Tイチスタイルより立体的に♪

POINT - 1

ピーンと立ったループを寝かすのがキモ⁉︎

スウェットの素材である裏毛というのは、表、中、裏と3本の糸で編まれますが、軽くて薄いのに肉厚感がある⁈を実現した秘密は裏の糸にあります。表と中は通常より細番手を使うことよって、まるでハイゲージニットのような薄くてシルキーな表情に。がしかし、裏には太番手の糸を使ってふっくらと編み立て。そんな工夫によって、表はすっきり品あるイケ綿なのに、裏は骨太でしっかり、な一枚に仕上がっているんですね。でもね、それだけじゃーありません。ふっくらと立った裏のループを編み立ての段階”寝かす“ことにより、かさ高にならず生地に厚みが出ないよう調整してるんだとか! ループウィラーといえば旧式の吊り編み機による味わい深い生地ってのが真骨頂ですが、単に旧いマシンで、ってだけじゃない。そのマシンを使い、さまざまな調整を行いながら、中途半端な生地を正確&狙い通りに表現する。軽くて薄~いのに肉厚ボディ。まさに20年の英知が詰まった“薄ウェット”といえますね。

POINT - 2

シルエット&パターンも至って超絶ベーシック♡

近頃、ドロップショルダーだのビッグシルエットだの……サイズデカってのがア・ラ・モード♡ もちろん歳を重ね、MORE増量したボディにはありがた〜いっていう効能はありますが……、逆を言えばシルエットなんて水モノ。来年、再来年になれば、アレレレ??? 途端に古くさーッ、になってしまうのも無きにしも非ず……。てなわけで、この一枚、程よいサイズ感に首ゆるネックで、Tシャツを重ねればチラリと白Tがコンニチワ♡ 超ベーシックなラグラン袖ですから、肩のラインを流行りで気にすることもありません(笑)。肉感があるのに薄〜いという、新感覚の素材もさることながら、ポケTとスウェットの裾リブが合体〜というデザインもイイ!! 流行に左右されず、長〜く愛せる一枚、というわけです。

POINT - 3

薄ウェットでシンプルなお洒落ピープル!に

とにかくこれからの季節は前回でも書いたように、Tシャツ一枚と軽装になりがち。退屈な着こなしにならないために、重ね着ナシでニュアンスあるスタイルに。ポケTとスウェットが合体したデザイン、キレイめスラックスとテレコの法則、また、品のあるシルキーな素材感ですから、デニムに合わせたってご覧のとおり! どアメカジに陥りません!! ちなみにショーツもありますから、キレイめなチェックシャツに合わせて、逆テレコの法則を楽しむってのもアリ! 肉厚で立体感があるのに着用感はTシャツ並み、涼しく~&クールに~♪ とにかく使える! 超ベーシックなんです。

MITSUKI’S VOICE

  • 安価でそこそこが氾濫する時代、今こそ確かなモノを選びたい

    安価でそこそこが氾濫する時代、今こそ確かなモノを


    選びたい

Begin読者であればお分かりだと思いますが、「安くていいモノ」特集を10年ほどやらせていただいております。そこで感じるのが、本当に安くていいモノが増えたな〜ってこと。この企画を始めた頃、3万円台のグッドイヤー靴〜⁉︎ってビックリ仰天したもんですが、今や3万どころか、2万円台、1万円台もあるほど……。まぁ、いい時代になった、といえばそれまでなんですが、なんだかインスタントな感じが嫌なんだよね~。そんな状況下、たかがスウェット、されどスウェット。この夏せっかく買うんだったら、作り手の創意工夫が見て取れるもの、とにかく長~く愛せるモノ。プライスも1万2000円と多少値は張りますが、10年着られると思えば一年1200円ですよ。安価でそこそこなモノが多い時代、今一度、使い捨て文化とは無縁の“所有感”を満たす一枚に袖を通してみる、だって安物買ったって捨てるだけだし、結局いいモノ持ってれば得しますからね♪ 先日、ミツキも寄稿させていただいた、ループウィラー20周年記念本のイベントにお邪魔しましたが、ビームス プラスに、そしてミツキの編集人生も20年を迎える節目。いいモノを効くモノを、見た目じゃわかりにく~い部分をし~っかり伝えていきたいな、と再確認した次第。「お前莫大小みたいなやっちゃな~」って言われないようにネ(笑)。

  • デザイン:

  • テレコの法則:

  • 素材がイケ綿:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
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