令和のシャンブレー

UPDATE : 2022.05.27

ヤミツキアイテム

EASY BUTTON DOWN SHIRT

BEAMS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

‘90年代、情報源は雑誌とショップでした

ミツキが青春を謳歌した‘90年代。お洒落がしたくて、モノが知りたくて……原宿‟プロペラ通り“にあったその名も『プロペラ』によく買い物に行ったもんです。当時、おっかないショップのにーちゃんが、カッコよくシャンブレーシャツを着ていてね。あんな風に着たいな~なんて眺望の眼差しで見つめていたのを覚えています。で、そのとき買ったのが写真上の『プレンティス』。「‟BIGMAC”のシャツのファクトリーでさ~メイド・イン・メキシコがイイんだよ~」。へぇ~~!! という具合に。その後閉店してしまった『プロペラ』ですが、閉店SALEでも2枚買い&古着屋さんでデッドストックをみつけては購入。大人の階段を昇るきっかけというか、このアメリカのワークシャツを着こなしてこそ、カジュアル賢者の仲間入りができるというか……ミツキにとってはシャンブレーシャツって、定番好きへの扉を開いてくれたMYファーストベーシック。今、ミツキのクロゼットには長袖2着、半袖2着、デッドストック1着、計5着の『プレンティス』がありますが、もう20年くらい前ですから、20㎏増量で着られるわけがありませ~ん(笑)。そんな今、久しぶりに着たい!シャンブレーを見つけちゃった♪というのが55品目のヤミツキ。体型カバーはもちろんw とにかくバランスがいいんです!

渋カジから15年あまり……シャンブレーが再燃!→そして現在

 

‘90年代のアメカジブーム‟渋カジ“。ミツキが新米編集として入社した2000年頃といえば、渋カジもひと段落。デニムでいえば、‟プレミアムデニム”に象徴されるように、ファッションの流れはいわゆる‟キレイめ“方向になっていました。んで、2007年、Beginが満を持して組んだ‟アメリカ的”特集。このアメリカではなく‟的“というのがミソで、フランスブランドがM-65軍パンを作ったり、キレイめ素材をアメカジのアイテムに乗せ換えたり……ベタベタな‟どアメカジ”ではなく、大人っぽくアメカジを取り入れる。そんなメッセージを服好きへ伝える企画だったんです。手前味噌ですが、この特集をきっかけに、またアメカジのベーシック服が復権した!んじゃないかな~(笑)。んで、シャンブレーシャツも特集の巻頭で掲載、紹介したシャツはビームス プラスで即完売!するほど、凄まじい共感を呼びました。それからというもの、2009年には、いわゆるイタリアのドレスブランドからも続々とリリースされるなど、シャンブレーはドレスシャツ界にも進出→レディスでも人気に~という具合に。少年ミツキが憧れたアメリカンワークの象徴は、一躍!老若男女問わずなお洒落シャツへと成長していったのです。というのが、ミツキ視点のシャンブレーヒストリー。あれから10数年経ち、トレンドに無縁のベーシックとなりましたが、あの頃の最旬シルエットといえばとにかく細身。いかにスマートに着るか、ってのがポイントでしたが、今では真逆のビッグシルエットがア・ラ・モード。時代の移り変わりを感じながらも、このヤミツキシャンブレーはシルエットも不変的。そして、ちょっと大人っぽさをプラスして、作業着然とした土臭さも皆無! てな“令和のシャンブレー”。惚れたポイントを書かせていただきたいと思います♪

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 1小衿がワークする
  • 2着こなしにワークする素材

  • 3古き良き淡いブルーを表現

POINT - 1

まず印象を決める最大のポイントが衿

空環(からかん)にいってこい、山ポケに猫目ボタン……ワークシャツ特有のディテールは数あれど、“小衿”もじつはワークを象徴する古き良きディテール。元来ブルーワーカーのためのシャツですからね、動きやすくするために衿を小さくしているんです。ご覧のように、このヤミツキシャンブレーも小さめの衿。胸元がすっきりした印象になり、爽やかさを演出してくれます。さらにボタンダウン仕様にすることでよりしっかり感がアップ! だから、素材がシャンブレーでも、土臭くならずに誰もが似合う。アイテムが持つ出自を理解しながら、街で着られるバランスへ落とし込む。衿は小さいけれど、効能は大きい! そんな“いとしの衿〜”にまずヤミツキ。

POINT - 2

ソフトで柔らか〜な素材感がGOOD

ブルーといえば、デニムに代表されるように、ワークウェアを象徴するカラー。シャンブレーとダンガリーもブルーですが、この2つの素材ってどう違うの? シャンブレーはタテ糸にブルー、ヨコ糸に白を使った平織りの生地。ダンガリーは逆に、タテ糸に白、ヨコ糸にブルーを使った綾織りの生地。ちなみにデニムも綾織りですが、糸の配列がシャンブレーと同じタテ糸にブルー、ヨコ糸に白となります。そんな豆知識を入れながら、こちらのシャンブレー。触診してみるとほっぺにスリスリしなくなるような肌触り❤︎ USAコットンを使い、ニッポンの機屋で織り上げたスペシャル生地です。パリッとさせずに、着込んだ風合いを織りの段階で表現。ヨコ糸(シャンブレーは白糸ですね)の本数をあえて減らし、甘〜く織ってしなやかさを出しているんだとか。また20番というワークシャツにしては細番手の糸で織り上げているから、ドレスシャツ寄りなキレイな表情〜♪ ワークアイテムだけど、品良くこなせるのは、こんなとこに秘密があるんです。

POINT - 3

ブルーの色みにとことんこだわる

デニムも同様、ワークのブルーを表現する手法として、“ロープ染色“という染め方があります。これはロープ状に束ねた糸をインディゴや硫化染料の入ったケースに入れて染め上げる手法。この工程を繰り返し色の濃度を調整していきます。特徴として、糸の表面は美しく染まりますが、芯まで染まり切らず、“芯は白いまま“の糸が出来上がります。なので、時間が経つと表のブルーだけ落ちて芯の白い部分が出てくる。これが、デニムやジャンブレーが、穿き込む&着込むほどに色落ちしていく要因なんですね。そんな染色方法を使って、ヴィンテージに見られる色味を徹底的に再現。キレイに着られるけれど、古き良きカラー。新しいのに懐かしい! ノスタルジックな味を作り出しているんです。

MITSUKI’S VOICE

さらりと羽織れる、今すぐ欲しいシャツ

 

さぁ、最後は#顔切りのカリスマ。着こなしHOW TOに行きましょう!

まずはワークパンツにワークシャツの着こなし。
ベタベタな合わせでも、ブルー系でまとめれば、ご覧のようにベター♪
ルーズシルエットでヤンチャ感はありながらも
シャツの素材感と小衿BDが相まって品のいいスタイルに!

腕まくりしてニュアンスを付けるのも簡単テクですね!

そして週末はショーツスタイル。

羽織ってカーデのように使えるからTシャツ一枚で軽装になるこれから

着こなしに立体感が生まれますね♪

で、おなじみテレコの法則〜!

グレースラックスに合わせれば、上品な外しスタイルに。

キレイめに、カジュアルに。さらりと羽織れて

シルエットもガキっぽさを払拭する

大きすぎずのレギュラーフィットだから、トレンドに左右されず

長く着られますし、着込むうちに色落ちしていく風合いも楽しみですよね。

54品目のブリーフィングにもバッチリ合うし!


デニムは色落ちさせながら育てる、というのは定説ですが

シャンブレーシャツだって同じ。

長く愛せるこの一枚をガンガン着て

シャツも育ててみるのも一興かと。


ではまた次回!

  • 不変的シルエット:

  • 品良くこなせる:

  • 古き良きカラー:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
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