偉大なるちょっと変え

UPDATE : 2019.09.03

ヤミツキアイテム

DEEP BOTTOM BOAT&TOTE BAG

L.L.bean × BEAMS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

ずっと変わらない定番を変えた底力!

先日、ひっさびさに幼少期&青春時代を過ごした街へ。ま、といっても近いんですがね。休日の昼下がり、昔は子どもたちがわんさかいた公園もNO PEOPLE。あちゃ、都内近郊でも過疎化が起きちゃっているのね、とちょっと寂しい気持ちになったミツキです。んで、@そんな公園、いつもは三つ編みをしているクラスの女子に休日会うと、髪を下ろしている♡ “ティモテ状態”ですよw 逆にいつもは髪を下ろしている女子がアップしてうなじがチラっ♡ “ZARD状態”ですよww と、いつも慣れ親しんでいる姿+ちょっと変えに胸を躍らせたもんです。ということで、今回はそんなフレッシュでスマッシュな衝撃を受けた超永世定番について。早速Beginしたいと思いま~す♪

冷奴に+α ローカル定番のLike a たぬき豆腐?!(笑)

トートツですが(笑)、赤羽、浅草、立石……をはじめとする東東京の居酒屋には定番メニューがあります。それが豆腐に天かすを乗せた、下町の偉大なちょっと変え“たぬき豆腐”です。個人的にヤミツキなこちらの一品。豆腐のクオリティはもちろん、天かすの食感、そして相性のいいお出汁、おネギ&わさびの量もポイントね♪ という具合に、見た目は単に豆腐に天かすを乗せただけですが(笑)、とても奥が深いんですね~。

 

んで、こちらもアタシにとっちゃー、居酒屋に冷奴は当たり前だろ(笑)ってくらいのビーントート。氷塊を運ぶカバンとして誕生してから半世紀以上、ファッションの物心が付いたころからずっとヤミツキな、言わずと知れた名品です。そんなベーシック好きには“何よいまさら”なコイツが今回のヤミツキ。第一弾が登場したのは今から5年前の2014年。ミツキはネイビーを愛用しておりますが、エル.エル.ビーンといえばのカラー面積が増!の2トーンは見た目が衝撃過ぎましたね。んで、第2弾はといえば、生成り&ネイビーの同色トーンとなったわけですが、見た目だけじゃなくコレ、作りはどーなってんだ??と、改めて深掘りしてみたら、マジかーーーっ! 見た目もすっごいタイプなんだけど中身まで知ったら……とMOREヤミツキになっちゃった、“偉大なるちょっと変え”。そのポイントに迫って行きたいと思います♪

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 1じつは構想&実現まで約10年?!
  • 2見た目のみならず技術力をも底上げ!

  • 3結果、堅牢性もアップデート

POINT - 1

そんなに時間がかかっていたのか!と改めて感謝

先述したように、1944年の誕生から2014年の発売まで。実に70年の時を経てカタチを変えたって、私たちベーシック好きにとっては事件でした。んで、この歴史的名作は、どのようにして生まれたのか? 発売当時、担当だったバイヤーに直撃してみました。すると……「この企画は発売より10年ほど前、私がペーペー(笑)だった頃からあったんです」。えーーーーっ!!! よく長期的なプランを5か年計画といったもんですが、その倍の10か年計画。「たまたま私が担当時に実現しただけであって、諸先輩方の苦労があってこそのプロジェクトでした」とバイヤーが語るように、ビームスが総力を挙げて実現した、賜物だったというわけです。

POINT - 2

名作の利点を損なわずのアップデートは至難の業

さまざまなバイヤーが本国にアプローチし、ようやく扉が開いた偉大なるちょっと変えプロジェクト。が、完成された名作に対して、どうビームスとしてエッセンスを注入するか、頭から血が出るくらい悩んだんだろなー、と容易に想像ができますよね。「本当に悩みました……ビーントートにオマージュしながらのアイデア。悩んだ結果、当時2トーンがトレンドということもあり、底部分の面積を増やせないかと。でもこのアイデアを具現化するのにまた一苦労あって……」。とはバイヤーの弁。分かりやすく説明するために底部分を分解してみましたが、ネイビーが通常モデル、生成りがビームスモデルの展開画像です。前者はシンプルな長方形なのに対し、後者はかなりいびつな形状。そう、このアイデアをカタチにするために、スペシャルに新しいパターンをおこしたというわけです。ちなみに通常モデルの画像をよく見ると、折れ線が残っているのが分かります。そう長方形を折り紙のように折り単純に縫い付けるだけというシンプル構造。ま、この単純明快なカタチを生み出したということ自体、名作たる所以なんですがね。

この底上げ、という明快かつ画期的なアイデアに対し、エル・エル・ビーン側も必死に応えようと努力。だって誕生から70年、カタチも製法も頑なに変えずにきたわけですから。氷塊を運ぶためのカバンという自慢の堅牢度&同社の永年保証に裏づけされる、絶対に壊れないモノを!というプライド。縫製もまったく新しい手法を取り入れたんだとか。なんか話しを聞いてたら鳥肌が立ってきましたよ。見た目を変えただけでも事件でしたが、それを実現するために技術力をも底上げしていたなんて。美しすぎる!!

POINT - 3

底上げデザインが自慢の堅牢性をも底上げ!

先ほど底部分の分解画像を出しましたが、次はメイン部分の展開画像になります。長方形が通常モデル、それ以外の画像がビームスモデルです。底部分同様に底上げしたことにより、メイン部分も当然、特別仕様のパターンになっています。先ほどの底面をこのメイン部分に重ね、太番手の糸で縫っていくわけです。でもね、ビーントートといえばヘヴィな24オンスのキャンバスが特長。重ねるとはいえ……

サイドの展開画像を見てもらえば分かると思いますが、分厚いキャンバス生地をメイン部分と底部分を2枚重ね、サイドに両辺を折って縫い付けるわけですから……とてつもなく分厚いキャンバスを鋭角な三角形の形状で……。太い糸で細かなところを縫うって……大変な作業だってことが分かりますよね。そんな作業を経て形になったコイツ。見た目の底上げは、技術力&自慢の堅牢度まで底上げした! ベーシック好きにはそんなストーリーもたまらない、まさに歴史的名作というわけです。

MITSUKI’S VOICE

これまで数多くのバイヤーさんに取材をしてきましたが、 “やりがいはピカイチだけど一番苦労する”と、み~んな口を揃えて言うのが、永世定番をフレッシュにする作業。昔取材した某デザイナーさんは、このビーントートは完成しすぎてイジリようがない!と断言していたくらいですから。その後もコンバース オールスター&リーバイスといった永世定番を見事にフレッシュにしてきたビームス。それをしっかり“欲しいっ!”のカタチに落とし込むところにいつもヤミツキに♡まさにこれぞ“BASIC&EXCITING”!!!

んで、最後に。ビームス プラス原宿スタッフ時代にはよくお世話になったな~な、コーディネートのお手本!長谷部慎之介さん♪

「生成りはどんなスタイルにも万能! ネイビーは同色を合わせてグラデを楽しむのがオススメですよ」とのこと♪

「あと、ミツキさん!」

ん? 何ですか長谷部さん??

「こんだけ強度もアップしたビーントートですから

インケースに入れればMACだって安心して持ち運べますよ♪

いつでもヤミツキ原稿書けますね(笑)」。

………。

次週もフリーズしないようにがんばります!!

というわけで、氷塊を運ぶためのカバンの

グッとくるGOODなお話しでした! 

  • 永世定番:

  • 堅牢性:

  • グッ度な別注:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
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