未来のヴィンテージ

UPDATE : 2023.07.28

ヤミツキアイテム

Aloha Shirt

DALE HOPE × BEAMS PLUS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

ミツキのファーストハワイアンシャツといえば……


写真上はミツキ20歳くらいの頃、学生寮にて。ベッドのフレームに掛けてあるシャツがMY ファーストハワイアンシャツ、『レイン・スプーナー』のプルーオーバーだ。雑誌で“東洋のブルックスブラザーズ”と称された同ブランドのシャツが欲しくて×2。当時、ビームス 銀座の近くに「TDハリーズ」というショップがあってね、バイトで貯めた金を握りしめて買いに行ったもんです。その頃、いわゆるハワイアンシャツの“柄モノ”は派手すぎてちょっと抵抗があってね……なので、清涼感あるシアサッカーのギンガムチェックを選んだ記憶があります。考えてみれば、すでにこのときからチョイス視点は‟効能あるモノ“だったんだな~(笑)。普段のスタイルに効いて、扱いやすくて、ストーリーがあって。近頃、ヴィンテージの値が全体的に高騰していますが、所有感を満たす、投資目的ってのもいいんですがね、洋服は着るモノですよ。持ってるだけじゃ~意味がない、しかも高価だからと恐る恐る羽織るってのもなんだかね~肩が凝るわ!……ということで、今回のヤミツキは‟柄モノに抵抗があるよ”って方にもすんなり、肩肘張らず着られて&未来のヴィンテージにもなり得るハワイアンシャツ。今回は「レインスプーナー」、「カハナモク」、そして、長年ビームス プラスとコラボプロダクトを作ってきた、ヤミツキ3大アロハのひとつ「デールホープ」について書きたいと思います♪

アロハシャツは特別だけど特別じゃない



 

 

デール・ホープ氏。ハワイアンシャツの世界的権威。ハワイに生まれ育ったデザイナーであり、「ザ・アロハシャツ」という著書がその道のバイブルとして崇められる……「パタゴニア」のアロハシリーズ、‟パタロハ“を手掛けることでも有名ですね。そんな憧れの方に取材をする機会に恵まれた。ダイヤモンドヘッド近く、ハワイアン・ドリーム・ハウスと呼ばれる氏の自宅兼アトリエに招かれめちゃくちゃ感激! 垂涎モノのインテリアに1000枚⁈近くはあるであろうウィンテージアロハのコレクションをみせていただきアドレナリン全開だ! レジェンドに会える喜びと同時に、何だか肩に力が入る……世界一のコレクターであり、デザイナー。ハワイアンシャツのすべてを熟知した氏と対峙する緊張感といったら……。でもね、「このシャツ一番気に入っているんだ、似合ってるかい?」と、オキニのシャツを着用しながらの第一声を聞き、途端に肩の力が抜けていった。で、ミツキが一番デール氏に聞きたかったこと、それは選ぶべきシャツはどんなモノなのか?ということ。緊張が解けたと同時に思い切って質問をぶつけてみたのだ。すると……‟柄に意味があるモノだよ“と、とてもシンプルな返答。「この一枚こそが、私の考える‟正解”を体現しているんだよ」。と着ていたシャツを語り始めた。そのシャツとは写真上の柄、1950年代に人気を博し、ハワイを直球で表現したウクレレにココヤシの葉をデール氏が描き重ねたモノ。つまり、世界一ハワイアンシャツを知り尽くす男が考える‟いいアロハ“は、ハワイに根差したモチーフでストーリー性があるということだった。「伝統的なものをいかに着やすくデザインするか、日々洗濯できるようにコットンにしているのも肝なんだよ」と氏。素材も古き良きレーヨンに固執せず、ヴィンテージ的にも価値あるモチーフもいかに‟今”で表現するか。懐古主義にならず、常に新しいデザインを生み出す姿勢こそ、皆がレジェンドと呼ぶ所以なのだ。歴史的な価値、アロハのすべてを知り尽くす男が、日常品として生み出したカタチ。「僕にとってアロハシャツとは特別だけど特別じゃない、一番身近な存在なんだ」と、氏の言葉を聞いて、何年代のロゴがどうとか素材はレーヨンじゃなきゃとか……ヴィンテージを取り巻く市場価値なんてどうでもよくなった。デール氏の肩肘張らないスタンスに感銘しまくり、最後は先の緊張は何処へ?(笑)ってくらい、肩まで組んじゃってパチリ! そんなデール氏の人柄にもヤミツキになってしまったのでした。それから……貴重なヴィンテージの柄、ディテールを盛り込んで生まれるレジェンドとビームス プラスの合作、‟新鮮なクラシック“をシーズン毎に楽しみしている。で、今シーズンといえば、⤴⤴⤴⤴! まさにデール・ホープ氏らしさ炸裂の一枚じゃないの‼ ということで、ヤミツキポイントいってみましょー♪

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 1柄にストーリーがあるとはこういうこと
  • 2オリジナルのココナッツボタン

  • 3希少なハワイメイド!

POINT - 1

伝統的なハットを編む途中⁉w

ハワイの伝統的な帽子“パパレ・ラウ・ニウ”ははるか昔、ハワイに暮らす人々に‟日陰“を提供、強い日差しから身を守った自然からの贈り物のひとつ。ココヤシの葉を編んで作るのですが、デール氏は編んでいるプロセスを描いてデザインに‟動き”を付けているという、なんとも粋な切り取り方。ハットの完成品ではなく、ハワイの人々がハットの完成を待ちわびる、てなワクワク感も画から伝わってくるよう。時間に追われる現代、こうして手作業でゆっくりとハットを編み、メロウな時を過ごす……そんな想いすら感じる。デール氏の言う‟柄に意味があるモノだよ“という意味は想像力を掻き立てるということでもあるのだ。

POINT - 2

モチーフとボタンにもストーリーが

ハワイの象徴的なモチーフであるココヤシ。その葉を使って編んだハットを柄としてデザインしている本作ですが、ボタンはヴィンテージアロハといえばのココナッツボタンだ。アロハ好きにとってはボタンが何であるかというのは重要だろう。でもね、ヤミツキポイントはボタン単体にあらず! ココヤシの葉で作ったハットを柄に、そしてココヤシの実であるココナッツをボタンに♪ という具合に、シャツ一枚がココヤシで完結している~♡ そんなデール氏の粋な遊びにもヤミツキなんです。

POINT - 3

ポケットの柄合わせも素敵~♡

最後にミツキがシャツで譲れないポイントである、身頃とポケットの柄合わせ。見てくださいよ、精緻にしっかりと柄を合わせています。これは裁断、縫製の段階で作り手が計算しながら作っている証。それを今や希少なハワイ製でやってくれている!ってところに感涙ですね。ミツキの3大アロハひとつ、レインスプーナーもハワイ工場に取材に行きましたが、縫子さんも3人くらいしかいない小さなファクトリーでした。ハワイ製で作っているのは、アラモアナのショップで売っているスーベニアのキッズシャツくらい……デール・ホープはアロハシャツの起源に倣い、日本の生地をハワイ生産で、を未だ貫く希少な存在。そんな生産背景にもヤミツキです。

MITSUKI’S VOICE

アロハシャツはテレコの法則♪

ということで、今月も最後に #顔切りのカリスマ 解説。
アロハシャツを着こなすのは、チョー簡単!
派手な柄は十二分にポイントになりますからね、
キレイめボトムスで大人っぽく! テレコの法則一徹!と覚えましょう!

まずブルーはキレイめの白スラックスでコントラストつけて

足元はシャツのカラーを拾って同系のデッキシューズを。

爽快なマリンスタイルが完成します。

他のカラーにも転用できますよね。

鮮烈なレッドはグレースラックス!
トーンを落ち着かせてくれ、品よく着こなせます。
シャツカラーに合わせてブラウン系のモカシンを合わせれば
大人っぽい洗練されたアメカジスタイルが完成♪

というように、手持ちのキレイめパンツに合わせるだけで
ちょっと派手な柄は苦手だったんだよね~と思っていた方も
難なく着こなせちゃいます♪

ということで、目の肥えた玄人も
アロハシャツが欲しいけれど、何を買っていいやらと悩むアナタも
これを選べは間違いナシ!
レジェンドが魂込めて生んだ名作は、10年後、20年後、
間違いなくヴィンテージとして評価されるでしょうね。
そんな‟未来のヴィンテージ“で、
この夏、快適でハッピーなアロハスタイルを難なくお楽しみください♪
ではまた次回♪

  • 3大アロハ:

  • 新鮮クラシック:

  • これを選べは◎:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
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