スラウチウォレット

UPDATE : 2019.07.12

ヤミツキアイテム

DOUBLE ZIP WALLET

BEAMS PLUS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

もう20年も経つのね〜って二重にビックリ!!

カラオケでは履歴をチェックして、その前の客のテンションを分析→年ごとのヒット曲を検索しCHOICE!の癖が直らないミツキです、笑。で、20年前1999年のヒットソングといえば、モー娘のLOVEマシーンに、だんご三兄弟……サザンのTSUNAMI、福山の桜坂は2000年だってさ~。てか、最近じゃね? いやいやずいぶんと時が経ったな~なんて思いを交錯させながら、ビームス プラスも今年20周年。ちなみに、2年前に地元で第二の成人式を終えた私も編集人生20周年。プラスもだけど、俺も20年か~……というわけで、今回はそんな“20”にまつわるヤミツキからBeginしたいと思いま~す♪

 

20年変わらないセレクトショップオリジナルって他にある⁇

ビームス プラスのオープンは1999年。原宿ではなく、じつは大阪から始まります。当時、“服はワンウォッシュの洗いざらし”がテーマ。で、オープン前夜、スタッフはギリギリに上がったサンプルを洗濯機で洗い、生乾きのまま大阪に向かった、笑。なーんていう話しもありましたね。ビームスの根幹を成すアメリカンライフショップをコンセプトにあれから20年。今年二十歳を迎えた同レーベルですが、オープン当初から店頭を飾り続ける革小物があります。それがこのダブルジップウォレット。ビームス プラス スタッフ陣はみ~んな使っていた、といっても過言ではない、制服のような財布。数多いアイテム群の中、仕様を変えることなく売れ続けている、まさにロングセラー。ミツキも3回色違いで買い換えている、リピート名作なんです!!

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 1元ネタは印伝⁈!
  • 2バケッタレザー

  • 3“シェアわせ”なアイテム

POINT - 1

日本伝統工芸品からヒントを得た?!

というわけで、このダブルジップウォレット。当時オープニングバイヤーであり、企画者でもあるMr.X。現在はロサンゼルスで活躍中であります。そんな氏が先日一時帰国するとあって、とある奥浅草の名洋食店にて、ビームス プラス創設メンバーが介しプチ同窓会が行われました。僭越ながら、ミツキも参加させていただきました。そのときほろ酔いで撮った写真が、先日ミツキのヤミツキのインスタ@mitsukinoyamitsuki にアップさせていだいた画像、というわけです。んで、いろんな昔話しに花を咲かせる中、この名作の話しになったんです。ちなみに、この財布どうやって企画したんですか~?とMr.Xに尋ねると……「母親が持っていた、鹿革の印伝が元ネタなんですよ」との弁。氏の母親はアイビーの知名度を上げることに一役かったと言われる、銀座みゆき通りを闊歩した“みゆき族”に属していたほど。とにかくハイカラな方であり、ロングスカートにモカシンを履くというスタイルに、鹿革の印伝を持っていたというのであーる。「その印伝財布がマトリョーシカのような構造で。どうにかコンパクトな財布に落とし込めないかと考えたんです」と同氏が語るように、小さな同型コインケースがマトリョーシカのように入り、仕切りの役割を果たしているのだ。右にカードや領収書、左にお札、という具合に収納できる。当時、このテのコンパクト財布は他にもあったんだけど、お札は3つ折りにしないと入らない……モノが多い中、コイツは2つ折りにすればいいから、ストレスなく入れられるってのも画期的だったんです♪ その後、某有名ブランドからも同じ形がリリースされたりして。アレ?? プラスのダブルジップウォレットに似てる~なんて、思ったもんです。今ではこのマトリョーシカ型のコンパクトウォレットは数多く存在しますが、私的見解では、このカタチのパイオニアはダブルジップウォレットだ!と、心から思っているのであります。間違っていたらめんご×2、笑。

POINT - 2

肩肘張らないけど品がいいのは レザーのチョイスにあり

先述したように、印伝からインスピレーションを得て、生み出されたというコイツですが、コレを現代のウォレットとして表現するにはどうしたらいいか。そこにこそポイントがあります。生みの親Mr.Xがチョイスしたのが、イタリア伝統の“バケッタレザー”。この革を40字で説明すると、“千年も前から受け継がれ、植物タンニンで膨大な手間と時間をかけてなめされる伝統革。”じっくりとタンニン100%でなめされたあと、牛脂や魚脂、植物油にじっくり漬け込み、革の芯まで浸透させる。よって、革がたっぷりのオイルを含み、しっとりした風合い&美しい艶が使い込むほどに出るんです。でもって、染色もポイント。顔料(革の表面にお化粧のように載せる染色)ではなく、染料で革の芯まで色を入れているので、風合い&艶と相まって、美しい発色も生まれるんですね。「前ポケに入れてガンガン使えるようなウォレットにしたいと思ったんです。おのずとエイジングしますよね、でもエイジング=汚い、にしたくはなかった」と同氏が語るように、使い込むどに味が出るけれど、決して品は損なわない。これこそ素材選びの妙! 20年ずっと売れ続けるヒミツはこんなとこにもあるんです。ちなみに使用しているレザーは、バケッタ3大タンナーと称される“テンペスティ社”製。

POINT - 3

フトコロにやさしく&フトコロが深~い♪

ご覧のように正方形で手のひらサイズですからパンツの前ポケにすっぽり入ります。オンタイムは長財布、週末はコイツみたいな使い方もアリですね。使ってみれば、その活躍っぷりに、ゴン中山or野人岡野的な、スーパーサブ財布であると実感してもらえるでしょう! またU-1万円というお財布にやさしいお財布ですからね。相棒や同居人、はたまたファミリー財布として共有できる、なーんていう“シェアわせ”財布でもあるんです♪ ここでもちなみに。このフレンドリープライスを実現したのは、軽さ、柔らかさを出すため、あえて裏張りナシの一枚革で仕立てた賜物なんだとか。こちらもMr.Xの弁。

MITSUKI’S VOICE

  • 世知辛い時代だから、週末くらい肩肘張らない“スラウチスタイル”

    世知辛い時代だから、週末くらい肩肘張らない“スラ


    ウチスタイル”

近頃、気になっているワードがあります。それが“スラウチ”。NYを中心に発展してきたスタイルで、忙しい日々を送る現代人のための、リラックスしたファッション、生き方を指す言葉です。実は某バイヤーさんとお話ししていて、スラウチスタイルの話しになったんですが、20年前とくらべ、何かと世知辛い世の中になりましたよね~。そんな時代背景もあってか、週末のアウトドアブーム、クルマもカーシェアが主流に。なんか無理することがカッコ悪い! 肩肘張らずナチュラルに行こうぜ!なマインドがカッコいいんじゃん。という世の中になってきたんじゃないかな~と。Beginも肩肘張らないカッコいい!を表現するマガジンとして、これからも皆さんの生活に効く!提案に尽力していく所存ではありますが、20年前、Mr.Xはすでにそのスタイルをこのダブルジップウォレットで表現していたんだな、と20年後の今思うとまさに先見の銘。ビームス プラス20年、ミツキの編集人生も20年……第二の成人式を終えて、走り出した今、またコイツを前ポケに入れて、スラウチに行こう!なーんて思ったわけで。オトナが使うべきヤンチャ感にまたヤミツキに♪ 鮮やかなカラーを選んで、ベーシックなウェアとのコントラスト楽しも、と思い、レッドを新調したんだけど、赤字だけにはならないように気をつけないとな、自戒の念を込めてまた次回……お後がよろしいようで、笑。

  • 良心価格:

  • 収納力:

  • 印スピレーション:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
https://www.e-begin.jp/

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