クチコミ万能コート

UPDATE : 2023.12.30

ヤミツキアイテム

HARRIS TWEED BALL COLLAR COAT

BEAMS PLUS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

見た目は今まで通り、BUT!……が調子いい

久しぶりにニューバランスを買いました。『2002R』、13年前に登場した『MADE IN U.S.A.2002』のアッパーデザインを踏襲しながら、ゴアテックス仕様に。代表色のグレーは何足も持っていますからね、追加されたオールホワイトをチョイス。白ニューバランスは『UK1500』以来2足目です。で、ミツキの定番シューズもこれですべてゴアテックス化が完了。NIKEのエアフォースⅠにクラークス オリジナルズのデザートブーツにワラビー、レッド・ウィングのポストマンにコンバースのオールスター……昨今、ビームスは別注でもゴアテックス化を進めてきましたが(18品目38品目参照)、ブランド側も、‟見た目はクラシックだけど実はハイテク……“な流れが加速中。ハイテク=無機質な顔ではなく、温かみある表情はそのままに、雨の日でも履けちゃう機能が備わっているんですから、定番原理主義者としては死ぬほど嬉しい~♪ そんな流れはシューズにとどまらずアウター界にも普及していてね、外見はこれまで通りの安心感、BUT!着ればダウン並みの暖かさ、てな、名アウター(37品目参照)も増えてきています。ということで、今回のヤミツキは‟こう見えて実は……”な魅力を備えた名アウターについて。『ビームスの百名品』にも選定されているコイツを、ヤミツキ独自視点で掘ってみたいと思います。

マスではなく、クチコミで広がるモノっていい♪

一応、マスコミ業界の端くれとして身を置くミツキですが、マスで伝わったモノって、当たり前だけど大勢の人が知っているわけで……その手前にはクチコミがあって、流行震源が必ず存在するもの。その震源地をいち早くキャッチしてムーブメントを起こす、というのが、われらモノに携わるマスコミのお仕事であるわけです。例えば、先述したニューバランスでいうと、ビームスバイヤー陣が歩きやすくコーデもしやすいという理由から、海外出張時に‟992“というモデルを愛用し、クチコミでその魅力が伝播→われらマスコミが読者に伝え、今日のニューバランス人気の礎に。とか、今や市民権を得た‟インナーダウン”なんかは、エンジニアド・ガーメンツの鈴木大器氏がモンベルのそれを愛用していたことで洒落者たちに普及した、とかね。写真上のようにBeginでも『クチコミ新定番』という特集を組んだこともありましたが、これまで見向きもしなかったプロダクトが途端にスターダムへ……という事象は数知れずありました。今回紹介するビームス プラスのバルカラーコートもそのひとつで、国内のみならず、海外の洒落者をも虜にしたレジェンド名作。もちろん、着れば誰もがナットク!のモノとしてのスキルは十二分なんですがね、セレクトショップのオリジナルでありながら、どのようにして今日まで名品の地位を確立して来たのか……その裏側をヤミツキ視点でじっくり買い説していきましょー♪

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 1新旧、名ファブリックのフュージョン!
  • 2海外で評価される “セレオリ”ってある⁉

  • 3“サイズ違い”で2着所有者多数!

POINT - 1

ハリスツイードにハイテクインナーをIN

70品目のシェットランドニットに続いて、今回もスコットランドの伝統素材である「ハリスツイード」。1900年にブルックスブラザーズがジャケットに初採用したとされる、言わずと知れた高級ツイードの代名詞だ。“オーブマーク”と呼ばれる王冠モチーフのロゴはお馴染みですよね。製造過程が英国会法で厳格に定められ、スコットランド原産のウールを使った温かみのある風合いは、着込むほどに身体になじんでいく、まるでレザーのように平年変化が楽しめるウールだ。そんな名素材に『小松マテーレ』が開発した防風透湿素材、‟SAITOS INNER”を搭載したのがコイツ。表地と裏地の間に超薄膜フィルムをサンドイッチすることにより、ダウンのような防寒性を実現。しかも、高性能なのにめちゃくちゃ薄いフィルムですからね、軽~いのにめちゃくちゃあったか~♪ 味のあるクラシックな旧車なのにエンジンは最新、的な、洋服好きが求める、こんなモノ欲しかったんですけど~をいち早くカタチにしてくれたわけです。

POINT - 2

海外で評価される唯一無二のショップオリジナル

今やパリで展示会を行うなど、米国、欧州のファッショ二スタから絶大なる支持を集めるビームス プラスですが、このバルカラーコートはそのきっかけを作った存在といっても過言ではないでしょう。というのも、あのNYの高級百貨店『バーグドルフグッドマン』のメンズディレクターである“ブルース・パスク氏”が、このコートを絶賛! 写真上は検索画面のスクショですが、ご覧の通りメディア取材のSNAPでたびたび着用していることが確認され、われわれの業界内にクチコミとして広がったのです。これまでも‟ラルフ・ローレン氏”が愛した~etc.……海外のファッショニスタが愛用したモノがヒットする……という事例はありましたが、日本のセレクトショップのオリジナルのアイテムが海を超えたというのは嬉しい衝撃!でした。クラシックなスタンダードに現代的なエッセンスを加えて昇華させる……そんなビームス プラスのスタイルが世界に認められた瞬間でもあったのです。ちなみの写真上のパッチワークモデルは、パスク氏のオーダーから生まれた特別モデルで、今期少量ながらもビームス プラスで展開。物欲が増してしまいますよね。

POINT - 3

サイズ違いでヤミツキに……

伝統ファブリックに不変のバルカラーコート……オンオフ着回せて、軽量なのに防寒性バツグン! この非の打ちどころがないベーシックにヤミツキ者続出ってのは当然。ですが、店頭からのクチコミによると、同じカラーまたは異なるカラーで2サイズ揃えるのが定説になっていとのこと! 着こなしの詳細についてはいつもの#顔切りのカリスマでしっかり触れますが、要は便利すぎてデニムを細身のテーパード&太めのストレートと2本揃えるように、そのときどきのコーデに合わせてシルエットを変えて楽しむ、てな、これまた新たな買い増しスタイルが生まれているという事実も、このコートの持つファッションスキルがいかにパーフェクトか、を裏付けするイイお話しです♪

MITSUKI’S VOICE

INを重ねてサラッと万能コートを羽織る♪

 

今年は11月に入っても1週間で気温が10度も変化⁈するなど、
相変わらずよくわからない天候でしたね。今年も“暖冬”ですね、
なんて天気予報士の声はよく聞いたけれど、
何だか暖冬と言い始めて早10年くらい……
もはやニッポンの冬は暖かいが当たり前、と認識したほうがイイでしょう。
で、北海道やスキー場に行く以外、
街でダウンジャケットはオーバースペック……な状況下、
アウターは軽くて機動力があって、
室内&電車内ではサッと着脱できてかさばらないモノが◎というのが、
もう定石となるでしょう!
真冬でも通勤電車で汗ばむこともありますから(苦笑)。

今はインナーダウンをはじめとする
機能的なミッドレイヤーが充実していますからね、
ニッポンの冬はINするウェアで調整するのが得策。
レイヤードで着こなしも立体的になって一石二鳥ですしね♪
もっとも使いやすいカラーであるグレー&ブラウンは
ワントーンコーデ。

グレーは厚手のフリースをINして白をポイント、
ブラウンは同色のケーブルINでインナーに立体感を出して
洒脱な着こなしに。

また、アウトドアテイストのダウンベストだって
ご覧のようにINできちゃう。
このように薄手&厚手のインナーに合わせて、
違ったスタイルを楽しむために
先述した2サイズ所有するユーザーが続出するんだな~と
着こなしからナットクさせられますよね。

クラシックなチェック柄はフードパーカを仕込んであげると
古臭さを見事に中和。フードパーカでTシャツをのぞかせるように
タートルネックをINするレイヤードもぜひマネしたいテクです♪
ということで、2023年も拝読いただきありがとうございました♪
この原稿を書き上げ、ビームスの近所にある日本一美味い!
ヤミツキ“蕎麦屋の中華”を食い納めて、仕事も納めたいと思います。

年明けの初売りはぜひこの“クチコミ万能コート”に袖を通してみてくださいね!
2024年も変わらずいいモノDIGに邁進する所存です。
では皆さま、良いお年をお迎えください~♪

  • 新旧名素材の融合:

  • 海外でも高評価:

  • サラッとキマる:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
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