膝が出ず膝を打ったスウェットパンツ

UPDATE : 2021.12.22

ヤミツキアイテム

SWEAT PANTS

REMI RELIEF × BEAMS PLUS

ブランドやウンチクはもちろんですがね、ここではいかに“効く”かがキモ。
数あるビームスの商品の中から、『Begin』プロデューサーミツキが実際に、着て、見て、触って、効能あるモノだけピックアップ!
「ヤベェ!マジ使えるわ!」の声をいただくべく、令和を迎えて新時代、実のある身勝手コラムBeginしま〜す。

BEAMS100名品の半分、ヤミツキも50回♪

雑誌ビギンの看板企画『Begin Best 100』をビームス版に置き換えた『BEAMS BEST 100』。制作をBeginがさせていただいておりますが、おかげさまで大好評♪BEAMSの看板企画ともなりました。そして、そんなビームス100名品より一足先にスタートした『ミツキのヤミツキ』もこれまたおかげさまで連載50回♪海外ロケ中、飛行機、新幹線、ビーチ、屋形船……etc.忙しぶりながら、なんとか毎回執筆を重ねてまいりました。これからも気分新たに100回目指してwモノ好きの皆さんに“効くモノ”情報をお届けしていきたいと思います!ということで2021年もあっという間、しかも50品目と何かと区切りのいい今回のヤミツキは、120%満足させてくれる1%の力について。これぞヤミツキ!なモノの良さ&作り手の想いを書きたいと思います。

今月は穿いた瞬間にヤミツキになりました♪

写真上はビギンの某企画の過去誌面。加工の名手といえば……なブランド、『レミレリーフ』の後藤豊氏のインタビュー記事です。先述したように、レミといえばヴィンテージと見紛う加工技術が真骨頂。でもね、何がすごいかって30字で説明すると……“古着が褐色する自然の原理と同じ方法で加工し、経年変化を表現する”。ココに尽きます。「ひと口に“加工”と言っても僕は本物の経年変化にこだわりたいんです」とは後藤氏の弁。加工とは、生地を傷めることではなく、技術で“時間を早める”、というべきか。ベーシックウェアを独自手法で限りなく極美USEDにする本物感がレミにヤミツキな理由です。んで、今回はそんなレミが作ったスウェットパンツ。ブラックにインディゴ、ヘザーグレーと杢グレーが用意され、さすがのフェード感。穿いた瞬間に♡でしたよ。でもさ、この手のスウェットパンツって、穿いているうちに膝が出てくるってのが諸刃の剣……穿き心地は最高だけど、だらしなくって部屋着然としちゃう(涙)。そんな中、「美脚で膝が出ないスウェットパンツにしてください!ちなみに加工も入れて♡」というのがビームスバイヤーからのリクエストwそんな無茶ぶり!?を見事に解決してしまったレミレリーフの、膝が出るを解消した膝を打つモノ語り。はじまり×2~。

YAMITSUKI POINT

#MITSUKI’S ADDICTIVE

1
2
3
  • 11%なのにビヨヨ~ン!
  • 2綿糸をカバーリング??

  • 3とにかく美脚♪

POINT - 1

ビヨヨ~ンをもたらすのはポリウレタン

穿いた瞬間ヤミツキ♡驚異のストレッチを生み出す理由はポリウレタン糸にあります。スウェット=裏毛とは、表、中、裏の3本の糸を使って編んでいきますが、中糸をポリウレタン糸にしているんですね。通常は5%以上の割合で、この伸縮性あるポリウレタン糸を混紡するんですが、コイツの品質表示を見れば“1%”!コットン99%に対し、わずかの割合でこんなに伸縮するとは!!というのも、ポリウレタンは化繊ですからね、中糸は編むと生地の表面に出てくる。だからポリウレタンを中糸にすると、いや~な化繊感と言いますか、安っぽい表情になってしまう……そこでレミが考えたのが、少ない割合でコットンの温かみある顔を残しながら伸縮性を出す、ということ。1%の割合ながら、ポリウレタン糸をバネのようにねじることでビヨヨ~ン!を実現しているんです。聞けば、1%ながら5%混紡したくらいの伸縮性なんだとか。天然素材の表情を確保しながら、コットンなのになぜこんなにビヨヨ~ン!を作ってしまったことにまず脱帽です。

POINT - 2

そして加工までしちゃってる♪

「美脚で膝が出ないスウェットパンツにしてください!ちなみに加工も入れて♡」というのがビームスバイヤーからのリクエスト。わずか1%の割合ながら、驚異の伸縮性&天然ライクな表情を実現~というのは先述しましたが、当然レミの真骨頂であるUSED加工も施してあります。んで、ココがまた難題。ビヨヨ~ンの素であるポリウレタンは熱に弱く、熱を加えると硬くなってしまいます。加工プロセスに熱は不可欠ですからね、加工するとビヨヨ~ンがなくなってしまうワケです。え?じゃ、どうやってビヨヨ~ンを保ちながらUSED感を出したの??その解決方法にまたヤミツキ!ポイント①で書いた、中糸のポリウレタン糸をねじってバネのように~にプラスして、なんと!そのポリウレタン糸をコットンでカバーしているというんです!!熱に強いコットンでポリウレタンを巻いて保護することで、加工を可能にしたというワケ。さらに、中糸は表面に表情が出やすい、と先述しましたが、コットンで巻いたことで、パンツの表情はコットンそのもの!天然素材の見た目で驚異のビヨヨ~ン、そして真骨頂のUSED感。不可能を可能にしたレミのクリエーションにまた脱帽。

POINT - 3

めちゃ楽なのにシルエットはシュッ!

というわけで、見た目だけじゃ伝わらない、レミのクリエーションについてできるだけわかりやすく買い説してきましたが、今度は見た目のお話。冒頭で触れた、裏毛のパンツって膝が出てだらしない~を見事に解決。ご覧のとおり、キレイなシルエットすぎて遠目からはスウェットパンツじゃないですね。糸の段階からの工夫はもちろん、度詰めといって、とにかく目一杯詰めて編んでいるから、伸縮性バツグンでいて、ハリがあって美しいシルエットを構築。いまも穿きながら執筆していますが、とにかく膝が出にくいのはオスミツキ。穿きすぎて、少し膝が出たよ~ってときも洗濯すれば元通りに♪ コーデは#顔切りのカリスマで触れますが、ホント美脚&シャープで、スウェットのゆるさを微塵も感じさせない!

MITSUKI’S VOICE

  • ワントーン&色を拾ってがポイント!

    ワントーン&色を拾ってがポイント!

さぁ、最後に#顔切りのカリスマと一緒に着こなしを。
見てくださいよ、この美脚具合!!!
あえて、INをスウェットパーカにしてみましたが
品あるシルエットが部屋着然とした‟上下スウェット“感を見事に払拭!
ベーシックなMA-1をポイントに、足元はブラックのデザートブーツ。
ドカジュアルな合わせなのに、見てよ、この品の良さ!

あとね、細かいんですけど、裾のリブ部分はコットン100%。
ストレッチが効いていなくて、ピタッとならないから、ご覧のとおり
イイ感じのワンクッション具合。シューズとの相性もバッチリです♪

そして、スウェットといえば、なグレーは
ポイントとなるブルーニットの色を足元で拾ってあげましょう!
 
スウェットパンツとニューバランスの相性は言わずもがな。
フレッシュなベーシックスタイルが完成します。
 
これから年末年始、ゆ~っくり実家で、ちょっとお出かけ、
感染対策しながらの旅行、なんかにもってこい!!
もうね、一度穿いたらヤミツキ。
毎日このパンツで過ごしてしまうでしょーね、と断言して
2021最後、50品目のヤミツキとさせていただきます。
 
みなさん、今年も一年ご愛読ありがとうございました!
2022も変わらず“効くモノ”発掘に努めてまいります♪
ということでまた次回♪よいお年を~お迎えください!

  • 極美USED:

  • ビヨヨ〜ン♪:

  • 美脚&シャープ:

『Begin』プロデューサー
光木拓也

1977年生まれ。2000年に㈱ワールドフォトプレス入社。モノ・マガジン編集部を経て2006年㈱世界文化社に移籍。Begin編集部でファッションを担当し、2017年10代目編集長に就任。これまで、さまざまなジャンル、海外、国内の生産現場を取材し、本当にいいモノは何かを追求している。座右の銘は“中坊マインド”。いつまでも中2のときのようなワクワク感を求め、ヤンチャに各地を飛び回りいいモノ発掘中。2021年10月よりプロデューサーとして、ブランドとのコラボや新事業開発を担う。

Begin Magazine

肩肘張らないカッコいい!を追求する創刊34年目、クスッと笑えるフレンドリーでディープなパッション誌。ファッション、料理、インテリア、アウトドア……etc.
Begin=何かをはじめたい!人の欲しい!に応えるコンテンツ満載。衣食住遊のクレバーライフを送りたい人のためのグッドライフバイブルです。
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